弊社取引先での人気商品に『洗い加工』のデニムがあります。
デニム生地を洗うことで、色落ちやダメージの風合いを出していく加工です。
人気の高い商品であるため、新商品の開発依頼は多くありますが、中国工場での対応に近年変化が現れています。
深刻化する中国の環境汚染
中国では近年、環境汚染が深刻化しており、工業排水の規制が厳しくなっています。
デニム生地の洗い加工は、排水に生地の染料が流れ出てしまいます。
そのため、アパレル工場が密集する地域では洗い加工を受けてくれない工場が増えました。
10年前から工業排水の汚染は騒がれていましたが、ここ数年で一気に厳しくなっています。
アパレル工場が多い南部は規制が厳しいため、工場が専用の機械を保有しているなど、条件が揃わないと受けてくれません。
加工賃も高額になり、納期も以前より長くなっています。
生地市場に近い広州(南部)の工場では、洗い加工はほぼ受けてくれません。
都心部に近い工場は現在では無理だと考えたほうが懸命でしょう。
工場が少なく南部に比べて規制が緩い北部では、工業排水の観点からは洗い加工は可能です。
ですが、アパレル参入数が少なく、技術者不足が顕著です。
洗い加工も専門技術であるため、薬剤の量や洗浄の時間など、職人の技術が必要になります。
また、南部は生地市場が遠く、北部に比べ物流が発達していないため、日本への輸送の期間が長くなってしまいます。
サポートがあれば、対応してくれる工場は出てくると思いますが、まだまだサポートが不足している状態です。
最後に
中国での環境汚染は深刻で、今後も対応できない加工が増えることが予測されます。
品質・価格・納期のバランスを以前と同じに保つには、工夫が必要となってきました。
弊社でも提携工場へのサポートなどを日々検討し、提案している状態です。
洗い加工についてご相談いただければ、弊社ネットワークからお力になれる場合がございます。
お気軽にお問い合わせください。