アパレル生産の豆知識:2021年はコットンの値上がり注意


2020年末からコットン(綿花)の価格が上がっています。
これからコットンをたくさん使用する夏物の生産が開始される時期ですので、注意が必要です。

2021年綿花は高値

弊社では、春節開けの中国工場への生産依頼時に、コットン製品の3割ほどの値上がりを確認しています。
いきなりの値上げに驚いて質問したところ、「原料の綿花の価格が上がっている」との回答でした。

他の地域の工場にも確認しましたが、中国全土で同様の状態でした。
また、取引のあるバングラデシュの工場からもコットンの値上がりによる原材料の価格変更の依頼も来たため、世界的に値上がりしている状況だとわかりました。

2021年1月の日経新聞の記事が参考になったのでご紹介します。

シャツなど衣料品の原料になる綿花の国際価格が一段高となり、約2年ぶりの高値となった。指標となるニューヨーク先物(期近)の4日終値は1ポンド78.97セント。1カ月で14%上昇し、2020年の底値だった4月上旬比では63%高い。世界最大の輸出国である米国でさらなる生産減観測が浮上しているためだ。

【引用】日経新聞:綿花、2年ぶり高値 NY先物、米国で生産減観測

こちらの記事によると、最大輸出国である米国で天候不順による綿花の生産量が落ちています。
生産量は落ちたが消費は堅調であることから、綿花価格の高騰につながっています。
加えて、世界第2位の綿花生産国である中国での新疆ウイグル自治区での強制労働への反発から、欧米企業がウイグル自治区で生産された綿花を避け米国綿を選択する流れが出ています。

【参考】WWD:「新疆綿」の大き過ぎる存在感 不使用ならアパレル生産は大混乱か

新疆ウイグル自治区で生産される「新疆綿」は、中国国内生産量の9割を占め、世界の綿製品の8%に使用されていると言われます。
米国綿の不作と「新疆綿」不使用の流れが重なり、綿花の需要が上がり、価格高騰を招いているようです。

取引のある中国工場の方の話では、最近ではベトナム生産を中国生産に切り替えるアパレル企業が多く、取引依頼が増えているそうです。
人件費は中国よりもベトナムがはるかに安いのですが、ベトナムは自国での綿花生産量が低く、大半を輸入に頼っています。
コットンの価格上昇が大きく影響していることを感じました。

長期案件は特に注意

綿花の価格がじわじわと上がり続けている現在、長期間の生産スケジュールを組んでいる方は注意が必要です。

前述のバングラデシュ工場での生産で、生産開始後に原価の値上げの依頼がありました。
バングラデシュでの生産は商品が届くまでに最短で約6ヶ月と長期に渡ります。

参考記事:お客様に合わせた生産地をご提案

2020年からスタートしていた生産スケジュールですが、コロナの影響で都市のロックダウンがあり、生産途中で止まっていました。
工場再開後に、原料のコットンが値上がりしているため、原価を再計算させてほしいと依頼がありました。

バングラデシュ工場での生産は1商品あたりのコストがやすいのが魅力ですが、大ロットであることが特徴です。
原価が上がると金額も跳ね上がってしまいます。
弊社としては、OEM依頼を受けた段階で契約を締結しているため、取引先に交渉もできず肝を冷やす事態となりました。
今回は、なんとか契約時の金額を変更せずに済みましたが、今後しばらくは注意が必要だと感じました。

大ロットでの生産依頼の場合は、長期のスケジュールを組むことが多くなります。
発注から納品までに時間がかかるため、綿花の価格の変動で最悪契約の変更になる事態も予測されます。

今後も綿花の価格は上がっていくことが予測されますので、長期案件にはご注意ください。